動物たちの生態を手がかりに事件の謎を解き明かす異色のコミカル・ミステリーとして、2017年の放送当時に大きな反響を呼んだ連続ドラマ『警視庁いきもの係』。渡部篤郎と橋本環奈による凸凹バディの小気味よい掛け合いや、毎週登場する愛くるしい動物たちの姿は、放送から年月が経過した現在も配信サービスなどを通じて幅広い世代に親しまれています。
その一方で、視聴者の間で今なお尽きないのが「警視庁いきもの係という部署は本当に実在するのか?」という疑問です。ペットや野生動物が絡む事件が増加する昨今、警察組織の内部でこうした動物案件を専門に担う部隊は実在するのでしょうか。本稿では、ドラマのモデルとなった実在組織の裏側をはじめ、原作小説の魅力、主要キャスト陣の足跡、そして根強く囁かれる続編の噂まで徹底取材しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「警視庁いきもの係(動植物管理係)」はフィクションだが、動物愛護管理法違反や違法密売を追う実在部署「生活安全部生活環境課」が機能的なモデルとなっている。
- 要点2:原作は大倉崇裕の本格推理小説であり、ドラマ版は渡部篤郎の重厚な演技と橋本環奈の連続ドラマ初ヒロインとしての輝きが見事に融合して高評価を獲得した。
- 要点3:続編を熱望するファンの声は多いものの、キャスト陣の多忙さから実現のハードルは高く、現在はFODプレミアム等の動画配信サービスで全話を視聴できる。
【真相究明】「警視庁いきもの係」は実在する?モデルとなった実在部署と警察の裏側
結論から明かすと、作中に登場する「総務部総務課動植物管理係」という部署は実在しません。警察組織の総務部は、主に警察行政の広報、公文書の管理、警察署全体の庶務などを統括する管理部門であり、現場で動物の捜査や飼育管理を行う専門部署を抱えているわけではないのです。
では、現実の警察において動物が関わる事件や押収物の管理は誰が担っているのでしょうか。その実務を専門的に手掛けているのが、警察本部の「生活安全部生活環境課」です。この部署は、動物愛護管理法違反(動物虐待や遺棄)をはじめ、ワシントン条約で国際取引が規制されている希少野生動植物の密輸・不法売買、悪質な無許可販売といった環境犯罪を厳しく取り締まっています。
実際の事件現場において容疑者が逮捕された際、残されたペットの扱いは極めて現実的な問題となります。ドラマのように警察署内で警察官自らが愛着を持って飼育し続けることは規則上困難であり、基本的には容疑者の親族や知人への引き渡し、あるいは管轄自治体の動物愛護相談センター(保健所)や民間の保護団体と連携して保護されるのが通例です。『警視庁いきもの係』は、そうした警察業務の現実的な課題に着目し、警察組織の隙間にある「もしも」を鮮やかに具現化した設定だったと言えます。
【原作とあらすじ】大倉崇裕が描くコミカルかつ本格派の動物ミステリー
本作のバックボーンとなっているのは、人気ミステリー作家・大倉崇裕による連作推理小説シリーズです。『小鳥を愛した容疑者』『蜂に誘われた容疑者』『ペンギンを愛した容疑者』など、講談社から刊行された短編・長編がベースとなっています。大倉作品ならではの緻密なロジックと、動物の習性を巧みに事件のトリックや手がかりに落とし込むプロットの妙が、映像化の成功を強固に支えました。
物語のあらすじは、ある事件で頭部に銃弾を受け、過去の記憶を一部失った警視庁捜査一課の敏腕刑事・須藤友三(すどう ともぞう)が、リハビリを兼ねて閑職と噂される「総務部総務課動植物管理係」へ異動を命じられるところから始まります。そこで彼を待ち受けていたのが、動物に対して異常なまでの愛情と該博な知識を持つ巡査・薄圭子(うすき けいこ)でした。
容疑者の部屋に取り残された文鳥、ヘビ、ペンギン、サルといった動物たちの様子から、圭子は人間が気づかない微小な違和感を察知。元敏腕刑事としての捜査勘を持つ須藤と、動物の視点から人間関係の歪みを見抜く圭子が反発し合いながらも事件の核心に迫っていく展開は、従来の刑事ドラマにはない新鮮な知的好奇心を刺激しました。
【キャスト陣の現在】渡部篤郎&橋本環奈の黄金バディと共演者の足跡
ドラマのヒットを決定づけた最大の要因は、主演を務めた渡部篤郎と橋本環奈によるキャスティングの妙でした。硬軟を自在に演じ分けるベテラン俳優の渡部が、偏屈で不器用ながら情に厚いベテラン刑事を渋みたっぷりに好演。対する橋本環奈は、本作が連続ドラマ初ヒロインであり、トレードマークだったロングヘアをバッサリ切ったショートボブ姿で動物オタクの警察官を生き生きと演じ切りました。
20代後半を迎えた橋本環奈は、NHK連続テレビ小説のヒロインや世界的人気舞台『千と千尋の神隠し』の主演など、日本を代表するトップ女優へと飛躍を遂げています。映画やドラマで主演を張り続ける彼女にとって、『警視庁いきもの係』で見せたコメディエンヌとしての才能の開花は、まさに女優キャリアの大きな分岐点でした。
また、脇を固めた共演陣の活躍も見逃せません。捜査一課のエリート刑事役を務めた三浦翔平、須藤の元相棒で情報屋的な役割を果たした長谷川朝晴、受付嬢役でコミカルな華を添えた石川恋、そして交番勤務の警察官として出演していた横山だいすけなど、多彩な顔ぶれが物語のグルーヴ感を支えていました。彼らのその後の目覚ましい活躍を振り返ると、極めて先見性の高いキャスティング陣であったことが分かります。
【ロケ地と評判】動物たちへの細やかな配慮と視聴者を惹きつけた魅力
放送当時の評判を振り返ると、SNS上では事件解決の爽快感以上に「日曜の夜に家族で安心して見られる」「動物たちがとにかく可愛い」といった温かい支持の声が目立ちました。特にエンディングでキャスト陣が主題歌(超特急『My Buddy』)に合わせて披露したコミカルなダンスは、当時のYouTubeやSNSで真似をするファンが続出し、ひとつの社会現象を生み出しました。
作中のロケ地としても印象深いスポットが数多く存在します。警視庁の外観シーンには千代田区日比谷周辺の重厚なオフィス街が使用され、警察組織の厳格さを演出。一方で、第1話に登場した鳥類専門の動物病院や、第3話で舞台となったヘビが飼育されていた下町の住宅街など、東京都内近郊の下町情緒あふれるロケーションが親しみやすさを生み出していました。
制作現場における徹底した動物ファーストの撮影体制も高く評価されました。動物トレーナーが常時立ち会い、照明や音響の刺激を最小限に抑え、動物たちの体調や機嫌に合わせて撮影スケジュールを柔軟に変更するなど、細心の注意が払われていたことが当時のメイキングや取材で明かされています。そうした現場の真摯な姿勢が、画面越しに伝わる温もりに結実していたのです。
【続編の可能性】ファン待望の第2期はあるのか?制作ハードルと現在の状況
最終回の放送直後から現在に至るまで、インターネット上では「警視庁いきもの係のシーズン2は見られないのか」という続編待望論が定期的に浮上しています。原作小説にはまだ映像化されていないエピソードや長編作品が複数存在しており、シナリオのストックという観点では続編制作の土台は十分に整っています。
しかしながら、現実問題として第2期の制作にはいくつかの高いハードルが存在します。最大の要因は、主演を務めた橋本環奈の超過密スケジュールです。映画、舞台、広告、地上波ドラマと数年先まで出演予定が埋まっていると目されるトップ女優を長期間拘束することは容易ではありません。また、渡部篤郎をはじめとする実力派キャスト陣を一堂に再集結させるスケジュール調整の難易度も極めて高いのが実情です。
テレビ局関係者の間では、連続ドラマとしての完全なシーズン2は難しくとも、単発のスペシャルドラマ(SP)や、配信プラットフォームを軸としたスピンオフ企画であれば可能性はゼロではないという見方も根強く残っています。ファンの熱烈なリクエストが届き続ければ、何らかの形で奇跡の再結成が実現する日が来るかもしれません。
【動画配信情報】今すぐ『警視庁いきもの係』を視聴できる配信プラットフォーム
「もう一度あの凸凹コンビの掛け合いを見返したい」「リアルタイムで見逃していた」という方にとって、現在の視聴環境は非常に整っています。本作はフジテレビ系列の番組であるため、公式動画配信サービスであるFODプレミアムにて全10話がフル配信されています。
時期によっては、TVer(ティーバー)などの見逃し無料配信サービスにおいて、フジテレビの過去名作ドラマ特集や主演陣の新作公開記念キャンペーンの一環として、期間限定で無料再配信が実施されるケースもあります。また、手元にコレクションとして残したいファン向けには、未公開メイキングや特典映像が収録されたBlu-ray BOXおよびDVD-BOXも発売されており、現在もセル・レンタル双方で安定した需要を誇っています。
【警視庁いきもの係】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:警察犬を訓練・管理する「鑑識課警察犬係」とは何が違うのですか?
A1:鑑識課の警察犬係は、捜査活動(足跡追跡や遺留品捜索など)に特化した警察犬の育成と運用を行う実在の部隊です。『警視庁いきもの係』で描かれたような、容疑者のペット全般の保護や生態調査を専門に行う部署ではありません。
Q2:原作小説とドラマ版で大きな設定の違いはありますか?
A2:基本的な世界観や主役2人の造形は原作を踏襲していますが、ドラマ版ではコミカルな掛け合いがより強調され、オリジナルの登場人物や設定が一部追加されています。原作小説はより本格的な警察ミステリーとしての論理性が色濃く描かれているため、小説とドラマで異なる味わいを楽しめます。
Q3:ドラマのエンディングで踊っていたダンスには何か元ネタがあるのですか?
A3:主題歌を担当したメインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」の楽曲『My Buddy』に合わせた完全オリジナル振付です。動物の仕草をモチーフにした可愛らしい振付が特徴で、橋本環奈や渡部篤郎をはじめとするキャスト陣が笑顔で踊る姿が大きな反響を呼びました。
まとめ:色褪せない魅力と異色警察ドラマが遺した功績
『警視庁いきもの係』は、単なる警察コメディの枠に留まらず、人と動物の共生や生命への敬意という普遍的なテーマを軽妙なエンターテインメントへと昇華させた秀作でした。「動植物管理係」という部署自体はフィクションであるものの、生活環境課をはじめとする現実の警察組織が日々向き合っている動物犯罪のリアルに光を当てた意義は小さくありません。
渡部篤郎の重厚な受け皿と、橋本環奈の眩い才能が火花を散らした奇跡的なバディの魅力は、初放送から年月を経た今なお色褪せることはありません。続編への期待を胸に抱きつつ、まずは配信サービスやパッケージを通じて、彼女たちが駆け抜けた優しくもスリリングな謎解きの日々を改めて堪能してみてはいかがでしょうか。 (出典: 警視庁 いきもの 係(Yahoo!ニュース))